2年以上手をつけていない

2年以上手をつけていない

遺産を放置しているとさまざまなデメリットが発生。相続は放置しないことが大前提です。

Case1

相続した祖父名義のままの不動産を売却しようとしたら…

父が亡くなり、自宅の不動産を相続したユキオさん。しかし遠方に住んでいることもあり、とりあえず名義の変更もせず、そのままにしておいたのですが、ずっと固定資産税を払い続けるのも大変だし、もう地元には帰ってこないだろうという思いになり、売却することにしました。不動産屋さんへ行き、相談してみると、その土地の所有者がユキオさんになっていますかと聞かれ、名義変更していなければしてくださいと言われました。調べてみると、父ではなく祖父の名義のままになっており、祖父からユキオさんが相続したという登記をしてくださいと言われました。そのため、調べてみると父の兄妹からも印鑑をもらわないとできないことがわかりました。しかも父の兄弟の何人かはすでに亡くなっており、その子どもたちから印鑑をもらわなければ、この不動産の名義を変えられないとのことでした。普段ほとんど付き合いがなかったため、とても不安になりましたが、なんとか協力を得ることができ、無事全員分の印鑑をもらって、名義を変更することが出来ました。

このようなケースは珍しいことではなく、よくあるケースです。登記の費用がかかってしまうことや特に期限がないという理由で名義がそのままになっていることは良くあります。しかし、いざその不動産を動かそうとした場合、名義を変更することが必要になってきます。相続人全員の承諾が必要になるため、祖父名義になっていた場合は相続人が多くなってしまい、1人でも反対すると、名義変更が出来なくなってしまいます。
また、放置しておくと、相続人同士の連絡が取れなかったり、会ったこともない人から印鑑を押してもらわなければならないため、手間や時間がかかってしまいます。時間が経てばたつほど、手続きは困難になっていきます。放置している不動産がありましたら、まずはどうするか検討してみてください。

相続した祖父名義のままの不動産を売却しようとしたら…

Case2

いざ相続手続きをしようと思ったら…

2年前に父が亡くなったシュウジさん。そのとき預貯金はちゃんと手続きしたのですが、不動産はそのままにしていました。誰が相続しても良かったのですが、シュウジさんも含め、兄弟は皆持家を持っていたため、近くに住むシュウジさんが管理だけすることになりました。いつかは手続きをしようと思っていましたが、兄弟の仲も悪くないし、その気になればいつでもできると思っていたのもあり、必要になった誰かがするだろうとそのまま放置していました。
ある日、県外にいる子どもから、できれば地元に帰ってきたいという話があり、祖父の土地を活用できそうであれば、そこに家を建てたりできないかという話になりました。
シュウジさんとしても良い話でしたので、自分が管理しているし、自分名義に変えておこうと思い、相続人である兄弟にお願いをして、相続手続をしようとしました。いざ相続手続きをしようと思っていた矢先、兄弟の一人が認知症になってしまいました。当時、不動産に関しては誰が相続するかを決めていませんでした。

認知症になってしまうと、その方に成年後見人をつけ、その方が代わりに遺産分割協議を行うことになります。選任するのにも、それなりの時間と手間と費用がかかってきます。しかも相続人の方が後見人になると、相続に関しては利害関係が発生してしまい、別途特別代理人という代わりの人を選任する必要があります。成年後見人は、その方の通帳等の財産をすべて管理し、その方が亡くなるまで、毎年裁判所に報告しなければなりません。さらに、成年後見人に報酬を支払う必要性も出てきます。そのため、遺産分割のためだけに、認知症になった方の財産を守る後見人を第三者になってもらうのも、あまりいいとはいえません。また、後見人に一度選任されると、そう簡単に辞退することはできません。
シュウジさんの場合、結局手続きはせず、子どもたちが地元に帰ってくるという話もなくなりました。
元気なうちに不動産の名義変更の手続きをしておけば、こうした手続きが必要になることもありませんでした。すぐには決まらない場合もあるとは思いますが、だいたい1回忌を過ぎると、お互いに連絡を取ることが少なくなってくることが多いのが現状です。皆様と連絡がとれている間に、相続手続きを進めることをオススメいたします。

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